Friday, July 03, 2009

岡田里 (okata satono) 02




岡田里 (Okata Satono)
1976年生まれの版画家、イラストレーター。

コンビニやスーパーに並んでいる伊藤園のジャスミン茶のペットボトルのパッケージイラストを、前にtraveling with the ghostで作品をポストしたこの岡田里が描いている。面識があるわけではないのだが、何度かメールのやり取りをした方が、コンビニなどに並んでいる商品のイラストを描いているというのはなんだか不思議で、普段ジャスミン茶など飲むことはないのに、そのことを知って以来何度か飲んでいる。

そういったことでいうと、岡田里の作品を初めて見たのは井上荒野の小説『だりや荘』のカバーに使用された装画であった。traveling with ~のエントリでそのことに触れようかとも思ったのだけど、何度も手に取りはしても、結局買わずに過ごした本だったこともあって、触れるのが躊躇われた。
以下『私と『だりや荘』』というタイトルでも付けたくなる様な、書店での『だりや荘』との出会いと別れ、そして古本屋での再会、別れ、三度目の邂逅といった他人様には死ぬほど退屈な内容の、書いている途中でこりゃいくら書き終わって自分が満足してもカットだなと思いながらも結局最後まで書いた長文が続いていたのだけど、やっぱりカット。
と言いたいところだけど、せっかく長々と書いたので、『だりや荘』というタイトルのフォントの並びを少し崩した背表紙を見る度に目が吸い付けられてつい手に取ってしまうこと、そのデザインをした装丁者とシンプルなんだけど大胆で印象に残る植物画を描いたアーティストの相性が非常よいと感じた、という部分だけ抜き出しておこう。

ということで、『だりや荘』自体も紆余曲折の結果、ハードカバー版を最近購入して了読。10ページくらい読み進んだところで今後の展開が頭の中に広がっていったが、大筋で当たっていた。最後の方はこうなるのかって感じだったのだけど。
で、この小説を読んでいる間、ずっと岩舘真理子の絵でカット割りまでされたマンガのイメージが頭に浮かんでいたが、たまにこんな風に小説とマンガのイメージがシンクロすることがある。
今パッと思い出したのは、以前古本屋で買ったフレデリック・クリヴィーヌの『殺戮の冬、パリ』(ハヤカワ文庫NV)という小説を読んでいたときには、ずっと士郎正宗の絵でマンガが進行していったことがあったということ。他にもいくつかそんな例があるのだけど、最近ボケが進行し過ぎて思い出せない。

脱線が過ぎたけど、岡田里に話を戻すと、最近書店をうろうろしていたときに杉浦非水という人の『非水百花譜』という画集を見つけた。この画集に収められている植物の木版画をボタニカル・アートと言っていいのかどうか分からないが、ハラハラとめくりながら、岡田里のルーツって案外この辺りなのかなあと思ったりした。
杉浦非水について調べてみると、東京地下鉄道の開業広告ポスターを制作した人だということが分かった。ああ、それならどこかで落とした画像が手元にある。ということで、近いうちに情報をまとめることにしよう。


《関連エントリ》
traveling with the ghost: 岡田里 (okata satono)

OKATA SATONO 岡田里

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